覚えておくと便利な Python 標準ライブラリ

sysos のように知らないと Python でプログラム書けないというほど重要ではないし、 datetime, urlhashlib のように特定の機能に特化しているわけではないので意識して覚えておかないと使うのは難しい。 ただ知っているとたまにとても便利 (で忘れがち) な標準ライブラリをまとめてみました。

標準ライブラリにあることを知らないで自分で実装しても比較的簡単に実装できてしまうけれど、 さっと使えると時間の短縮になるし、ちょっと Python 慣れしている感じがするはずです。

目次

collections

Python standard library: collections

namedtuple

Point = collections.namedtuple('Point', ['x', 'y'])
point = Point(10, 20)

のようにして、readonly の attribute を持つクラス (tupleの子クラス) を簡単に定義できる.

Counter

コンストラクタ, update で iterable を受け取り、要素数を数えてくれる dict (key: 要素, value: 要素数)。 iterable として dict (Counter も dict の子要素) を受け取った場合は、受け取った dict の keyを要素, value を要素数とみなして結合してくれる。

OrderedDict

キーの追加された順序を保持してくれる dict

defaultdict

キーが存在しない場合には第一引数に与えた default_factory を使って value を生成する dict。コンストラクタの第一引数が default_factory, それ以外の引数は dict の引数として渡される。get の挙動は dict と変わらないので注意!

def default_factory():
    return 'default'
d = collections.defaultdict(default_factory, {'a': 1, 'b': 2})
assert d['c'] == 'default'
assert d.get('d') is None

その他

  • dequeue

heapq

配列を使った binary heap (priority queue の代表的な実装) を実現するためのモジュール。 このモジュールは binary-heap のクラスを提供するのではなく、list をヒープの内部データとして利用するための補助関数を提供している。

ヒープ用の関数群

  • heap = []

    • heap は heapクラスではなくて heapの内部構造として利用されるリストをそのまま使う。
    • heap の操作は heapモジュールの staticな関数で行う。
  • heappush(heap, item)

    • heap に新しい要素を追加する。
  • heappop(heap)

    • もっとも小さい値を取り出す。
  • heappushpop(heap, item) / heappoppush(heap, item)

    • heapush -> heappop (pop->push) を行う。ただし別々に呼び出すより効率的。
  • heapify

    • 既存の list を heap に変換する。

その他の便利関数

  • merge(*iterable)

    • ソート済みのiterableを複数受け取り、マージして1つのソート済み iterable を返す。 ソート済みの配列のマージなので効率的。遅延評価なので次のコードは高速に動作する
import itertools
import heapq
list(itertools.islice(heapq.merge(xrange(1 << 32), xrange(1 << 32)), 10))

code

import code
code.InteractiveConsole(None).interact()

あるいは

import code
code.interact('', None, locals())

デバッグのお供に

contextlib

contextlib.contextmanager を用いると __enter__, __exit__ を定義せずに、 yield を使って with 文で利用する関数を作成することができる。

@contextlib.contextmanager
def myfunc(arg):
  print 'start with-stmt'
  yield val
  print 'end with-stmt'

...

with myfunc as val:
  print 'in with-stmt'

とすると、 yield の前が with文の開始時に、 yield の後ろが with文の終了時に実行される。 myfunc の yield の返り値が with-as の val に格納される。 contextmanager の実体は受け取った関数が返すジェネレータの next() を __enter__ と __exit__ で呼び出すクラスである

functools

functools.wraps

@functools.wraps(f)
def wrapper_f(*args, **kwds):
  print 'wrapper_f...'
  return f(*args, **kwds)

のようにラッパー関数のデコレータに @functools.wraps(original) をつけると元の関数のドキュメンテーション文字列とかが保持される。

SimpleHTTPServer

SimpleHTTPServerを使うと現在のディレクトリを公開するHTTPサーバーが簡単に起動できてテストなどに便利。 アクセス制御とかはないのでその点は注意。

python -m SimpleHTTPServer <port>
最終更新: 2019/1/7